「浪江の子どもは外を自由に歩き回って浪江の自然や文化に触れ合う機会が少ないので、浪江を故郷と思うことなく大人になっていくのではないかと、心配で寂しいんです。」
2021年12月、私たちが初めて浪江を訪れた際、町役場の方からお聞きした言葉です。
浪江でまちづくりのお手伝いを始めると決めたとき、まず初めに行なったのは、子どもクラブでの「浪江を知る」活動でした。
子どもクラブの星さんと山田さんと何度も話し合い、浪江のさまざまなモチーフをデザインしたトランプ遊びを通じて、浪江のことを知ってもらう・関心をもってもらう活動をすることにしました。
とはいえ、僕たちも浪江のことをよく知っている訳ではありませんでした。
そこで、なみえ創成中学校文化部の3人と先生に、トランプのモチーフの選定とデザインをお願いして、協力して作り上げたのが「なみえトランプ」です。
中学生が発見した浪江の魅力を、小学生が遊びの中で知り、再発見していく。
はませんや子どもクラブでなみえトランプで遊ぶ子どもが、浪江に何か関心をもってもらえると嬉しく思います。
復興には長い時間がかかります。
浪江のこれからを考えるとき、いま浪江にいる子どもたちが、浪江に関心と誇りを持ち、心のどこかで「故郷」を想い続けることが、浪江にとっても、子どもたちの将来にとっても、大切なのだと信じています。